2017年12月11日

振り込め詐欺について再び


 振り込め詐欺が減らない。そのために、銀行やコンビニのATMに見張りを付けるとか、引出額や振込額に年齢制限をかけるなどという騒ぎになっている。それはそれで一定の効果はあるだろうが、元々の「電話」について、重要な幾つかのことを警察やメディアが殆ど言わないのが不可解である。

 振り込め詐欺被害者には、最初の「電話」の段階で既に下記のような問題がある場合が多い。
  1.一人暮らしなのに固定電話を所有
  2.その電話番号を公開している
  3.電話が鳴ったら“無条件に出る”
  4.電話に出たら“こちらから先に名乗る”
 これらを止めるだけで、被害に遭う可能性はかなり減る筈なのだ。

 私自身もそうだが、一人暮らしだからこそ携帯を使うべきだ
 不穏なことを言うようだが、仮にトイレで身動きできなくなっても、出先で帰り道が分からなくなっても携帯を身に付けていれば助けを求めることができる。
 実際、最新の通話先が私だった友人が街頭で倒れ、「この携帯をお持ちの方を救急搬送しました」と消防から電話を貰って、彼の親族に連絡した経験も有る。
 また逆に、親族や友人にとっても、外出中や庭に居るなどで「電話に出ない」といった可能性が減ることで、より迅速に異変を察知することができる。

 電話番号は一切非公開にすること
 “自宅” の電話番号は極めて重要な「個人情報」なのだから、一切非公開が当然、必要な親族や友人にだけ個人的に教えておけば良い。そして、相手の番号を登録しておけば、鳴った瞬間に誰からか判る。
 例えば、町内会名簿などでは詳しい住所も判ってしまう。そして、何よりも馬鹿げた電話帳という存在。また、詐欺業界には「標的リスト」が拡散していて、そのために繰り返し被害に遭う人々が居ることも判っている。
 だから、既に(電話帳などで)公開されたことが有る場合は、番号を変えることが必須だ。

 相手の判る電話以外は出ない。出てもこちらからは名乗らない
 大昔から、「電話が鳴ったら急いで出る、そして自分から名乗る」という奇妙なというか馬鹿げた「作法」が横行しているが、これを “絶対にやらない” ことが、被害を防ぐ第一歩である。
 そもそも、上記のように登録した親族・友人 “以外の知らない番号” から、あるいは “番号非表示” でかかってきた電話など「出ない」で良いのだ。
 また、電話に出てしまっても、こちらからは沈黙あるいは「ハイ」だけにしていれば、そこで第一段階のチェックができる。セールス電話も含め “勝手にかかってくる” 電話では、こちらの姓名すら知らない、あるいは漢字の読み方が判らないというケースが珍しくない。相手の名前も正しく呼べないような電話は「怪しい奴」に決まっている。
 いきなり、「かあさん」などと叫ばれても、絶対に「○○か?」などと息子の名前を呼びかえしてはいけない。要するに、こちらからは「絶対に名乗らない」と意識を変えることが必要だ。

 ATMやバイク便など、最終段階で食い止めることも必要だが、犯人にとっての「アプローチ」の段階について、もっと真剣に「防御策」を考えるべきだと言いたい。
posted by Cheshire Cat at 19:16| Comment(0) | 日本の社会

2017年09月08日

前原議員は「おかしさ」を語ったのか、「おかしなこと」を語ったのか?

 ここで問題にするのは、前原氏でも彼の政策でもない。純粋に日本語の表現、下に示すネット記事の「奇妙で異常なタイトル」についてである。

<民進党の新代表、前原誠司さんが語った「格差が固定化されていく社会」のおかしさ>
 このタイトルを見れば、「前原氏が “おかしなこと” を語った」という意味に受け取るのが普通である。
 例えば、<今井○○○氏が語った「一線は越えてない」のおかしさ>といったように。
 「○○さんが語った『 』のおかしさ」とあれば、そこでは、間違ったこと、矛盾したこと、信じ難いことが語られた、としか読めない。そして、語ったのが作家や芸人ではなく「政治家」の前原氏である以上、「おかしさ」というのは否定的な意味にならざるを得ない。

 ところが、記事の本文を読むと全くそんな話ではない。前原氏の政策の重点がこれまでとは違うテーマになったとは書いているが、決して “おかしい” などとは評していない。どうやら、タイトルの「おかしさ」というのは、前原氏が語った現状認識の一部を引用したものらしいのである。
 すなわち、タイトルを
<民進党の新代表、前原誠司さんが語った「格差が固定化されていく社会のおかしさ」
あるいは、
<民進党の新代表、前原誠司さんが語った「 “格差が固定化されていく社会” のおかしさ」
とすれば、記事の内容と完全に一致するのである。

 故意に括弧の位置をずらして前原氏を貶めようとした一種の「見出しテロ」というのなら論外である。だが、News と称する以上一応公共性を自認するメディアの一つ、個人の「ブログ」などではないのだから、そんなことは考えにくい。
 だとすれば、"」" の位置一つで意味が全く変わってしまうことに気付かない著者、そんな原稿をそのまま公開してしまう BuzzFeed News 、それぞれの「日本語表記に対する無知・鈍感・粗雑」に目が眩む。

https://www.buzzfeed.com/jp/satoruishido/maehara-0901?utm_term=.cj0m4MyjX#.mgymd24KN

民進党の新代表、前原誠司さんが語った「格差が固定化されていく社会」のおかしさ

民進党新代表が決まった。専門の安全保障を一切語らなかった前原誠司さん。声を張り上げたのは格差是正だったーー。
2017/09/1 14:20
Satoru Ishido
石戸諭 BuzzFeed News Reporter, Japan
posted by Cheshire Cat at 17:02| Comment(0) | ことば・日本語

2017年08月07日

大臣と所管官庁の関係について

 初入閣した江崎鉄磨沖縄・北方相が、地元の事務所で開かれた就任祝賀会合後、記者団の質問に対して述べたことが問題となっている。(下記記事)

 この記事では二つの問題が並列的に指摘されているのだが・・・

 第一に、「素人」発言は、実は大きな問題ではない。
 なぜなら、議院内閣制の下では、大臣は「国会=国民の代表」として担当官庁(職員)を“監督”するのであって、断じて「官庁の代表・指導者」などではないからである。
 健全な政治思想をもちバランスのとれた政治家であれば、就任段階で「有る程度素人」であっても全く問題ない。(就任後は、当然様々な“努力”が求められるが)

 第二に、「役所の原稿を朗読」は大きな誤り、というより言語道断である。
 これでは、“監督”どころか「職員の言いなりになる」すなわち「官庁を代表する」と宣言しているのと同じだから。
 日本の官僚たちが、諸外国と比べても有能・優秀であることは間違いない。
 だが、その一方で、一括採用・終身雇用、そして省を超える異動、民間企業との人事交流も少ないという組織の性格上、前例踏襲によって思考が固定化し、視野も狭い専門職集団、ともすれば「国益より省益」と成りがちな欠陥ももっている。
 そのような欠陥を補い、専門職集団特有の“暴走”を防ぎつつ、国民に奉仕させるのが政治家たる大臣の役割であり、だからこそ求められるのは、「役人を使いこなす」という感覚・能力であり、「役人と同化する」ことなどではないのである。

 少し違うが、同様の意味で、(現在の国交相のように)その役所の「元幹部職員」が大臣に就任するような事態こそ避けるべきである。

国会で「役所の原稿朗読」 江崎沖縄・北方相
日本経済新聞 2017/8/7 0:49


 内閣改造で初入閣した江崎鉄磨沖縄・北方相が、国会答弁で誤った発言をしないように「役所の原稿を朗読する」と述べていたことが分かった。北方領土問題については「素人」と語った。関係者が6日、明らかにした。謙虚に説明するとの趣旨から出た発言だが、国会軽視だとして野党が反発しそうだ。
 5日に地元、愛知県一宮市の事務所で開かれた支援者らによる就任祝賀会合後、記者団の質問に対し、述べた。〔共同〕
posted by Cheshire Cat at 13:33| Comment(0) | 日本の政治