2016年08月27日

英語教育に関する病

 Yahoo Japan が定常的に行っている「意識調査」が、英語教育の "時期" をとりあげている。
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/life/25082/result
 質問も馬鹿げているが、相変わらず奇妙な(気持ちの悪い)回答傾向である。

Q.子どもの英語教育について、いつから始めるのが良いと思いますか?
「・幼児期(小学校入学前)から」 49%
「・小学校から」 24%。


 合わせると、70%以上がいわゆる「早期教育」論者のようである。見事に洗脳されたものだ。

 面白いのは、幼児期からに賛成する人々の理由の多くが「耳」や「発音」であったり、「国際感覚」だったりすることである。これはそのまま歪んだ「ネイティブ信仰」に繋がっている。
 どうやら、英語を "学ぶ" 目的が、「母語に加えてもう一つの言語によるコミュニケーション能力を正しく身に付けること」ではなくて、「 "アメリカ人のような発音" を鍛えること」になっているらしい。

 これは、コミュニケーション能力が情報の「発信・受信」にかかる "全人格的な能力" であることを、まったく理解していないことによるものだろう。
 情報の「発信」とは、自身の "内なる考え" を整理し、それを論理的に正しく構築し、適切な言葉を選択して外部化すること。「受信」は逆に、示された言葉を正確に受け取り、その "論理" を正しく理解して、自身の思索と対比することである。
 これらの基本的な能力が不十分では、どんなに "学習" しても、言葉は通じない。

 どんなに "発音" が良くても、本当に必要な場面でまったく "英語の通じない" 人物は珍しくない。
 コミュニケーション能力は、幼児期から10代にかけてのすべての「勉強」や日常生活を通じて鍛え、身に付けることしかできず、そしてそれは『母語』でのみ可能なのである。
 その大切な時期に、「ABCの歌」などで浮かれていたら子どもの将来をぶち壊すことになる、ということも解らないのだろう。
posted by Cheshire Cat at 11:23| Comment(0) | ことば・日本語